GNP

GNP(国民総生産)は、国民や国内企業が国内外で生み出した価値に注目した旧来の指標です。現在の国民経済計算ではGNPの概念は使われず、同様の所得概念をGNI(国民総所得)として示します。

国内の生産を見るGDPに、海外から受け取る第一次所得から海外へ支払う第一次所得を差し引いた純受取を加えると名目GNIです。古い資料のGNPは、現行のGNIと対応させて読みます。

GNPは現在の公式統計ではGNIに置き換わった

内閣府は、1993SNAの導入に伴ってGNPの概念がなくなり、同様の概念としてGNI(Gross National Income、国民総所得)が導入されたと説明しています。名称が「生産」から「所得」へ変わったのは、この指標が国内外から居住者へ帰属する所得を測る性格を明確にするためです。

名目GNI名目GDP + 海外からの第一次所得の純受取

GDP・GNP・GNIの違い

指標中心となる範囲現在の使い方
GDP国内で生み出した付加価値国内景気と経済規模の中心指標
GNP国民に帰属する生産という旧概念古い資料や一般用語で見かける
GNI居住者が国内外から受け取る第一次所得現行SNAの国民総所得

企業の国籍より「どこに居住する経済主体か」を見る

日本にある外資系工場の国内生産は日本のGDPに含まれます。一方、日本企業が海外に設立した現地法人は原則として現地の居住者で、その生産は現地GDPに含まれます。配当など日本の居住者へ帰属する所得は、国境を越える第一次所得としてGNIへ影響します。「日本企業なら海外生産も全部日本のGNI」と単純化せず、支店・現地法人、居住者、所得の帰属を確認します。

GNIが役立つ場面

  • 海外投資や海外拠点から得る所得の影響を見たい
  • 交易条件の変化を含む実質的な購買力を考えたい
  • 国内生産の伸びと居住者所得の伸びが異なる理由を調べたい
  • 古い統計資料のGNPを現行統計へ読み替えたい

実質GNIは名目の式より一段複雑

実質GNIは、実質GDPに交易利得・損失と海外からの第一次所得の純受取(実質)を加えて捉えます。輸出価格と輸入価格の関係が変わると、実質GDPが同じでも国内で得られる購買力が変わるためです。名目GNPと名目GNIは対応しますが、実質値を同じ式だと決めつけません。

根拠資料:内閣府 GDPとGNI(GNP)の違い / 内閣府 93SNA移行の主な変更 / 内閣府 国民経済計算

最終確認日:2026-08-13 SNA体系と用語の変更時に更新します。

 

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