インフラとは?社会・IT・業務基盤と停止リスクの見つけ方
インフラとは、社会や事業を成り立たせるため、継続して利用できる状態が求められる基盤です。道路・電力・通信などの社会インフラだけでなく、企業ではクラウド、ID、端末、決済、物流、担当者の運用手順まで含めて考えます。
社会・IT・業務運用の3層で捉える
| 層 | 例 | 停止時に起こること |
|---|---|---|
| 社会インフラ | 電力、水道、交通、通信、物流、金融決済 | 出社・製造・配送・決済そのものが難しくなる |
| ITインフラ | ネットワーク、クラウド、サーバー、ID、端末、バックアップ | ログイン、処理、共有、顧客対応が止まる |
| 業務インフラ | 手順、権限、取引先、要員、連絡網、代替拠点 | システムが動いても判断・復旧・引継ぎができない |
「クラウドだからインフラ管理は不要」ではありません。設備の運用主体がクラウド事業者へ移っても、契約、アカウント、データ、設定、バックアップ、障害時の業務判断は利用企業側に残ります。責任範囲はサービスごとに確認します。
顧客へ届くまでの依存関係を書く
重要な業務を一つ選び、「何がないと次へ進めないか」を左から並べます。たとえばECの受注は、画面だけでなく、電力・通信、ID認証、クラウド、在庫、決済、倉庫、配送、問い合わせ対応に依存します。
一つのサービスに見えても、同じクラウド・回線・ID基盤を複数業務が共有していれば、障害の影響が集中します。表面上は別会社へ委託していても、その先が同じ事業者に依存している場合があります。構成図と委託先一覧を突き合わせ、単一障害点と代替手段を確認します。
RTO・RPO・SLA・BCPを混同しない
| 用語 | 意味 | 例 |
|---|---|---|
| RTO(目標復旧時間) | 停止後、業務を目標水準へ戻すまでの時間 | 受注受付を4時間以内に再開 |
| RPO(目標復旧時点) | どの時点までのデータを復旧するか | 最大15分前までの注文を復元 |
| SLA | サービス品質について提供者と合意した水準 | 月間稼働率、応答、サポート条件 |
| BCP | 緊急時に重要事業を継続・復旧する計画 | 優先業務、代替手段、責任者、連絡 |
SLAの返金条件があっても、自社の売上損失や顧客対応が補われるとは限りません。RTO・RPOは業務影響から決め、契約と構成が実現できるかテストします。バックアップも、取得した事実だけでなく復元に必要な時間と手順を確認します。
インフラを点検する6段階
- 重要業務を選ぶ停止したときの安全、顧客、売上、法令、信用への影響を整理する
- 依存先を描く人・設備・データ・IT・委託先を業務の順に結ぶ
- 許容停止を決めるRTO、RPO、最低限維持する処理量を定める
- 代替策を用意する予備回線、手作業、別拠点、緊急連絡、復元手順を準備する
- 権限と連絡を決める停止・切替・顧客通知・復旧を誰が判断するか決める
- 演習して直す机上演習と復元テストで、時間・データ・手順を検証する
高価な冗長化をすべてに施す必要はありません。停止1時間の影響、復旧難易度、代替可能性を比較し、重要業務へ先に投資します。新しい評価制度や取引先要請を確認する場合はサプライチェーン強化に向けたセキュリティ対策評価制度(SCS)も参照してください。
参考情報
最終確認日: 2026年8月31日。個別サービスの責任範囲、SLA、障害・終了時のデータ返却条件は契約書と最新仕様で確認してください。