基本の計算式
前年の実質GDPが500、今年が505なら、実質成長率は(505÷500-1)×100=1.0%です。金額そのものではなく、同じ定義のGDPを同じ期間で比べます。
表記の違いを整理する
| 表記 | 比較するもの | 使う場面 |
|---|---|---|
| 前期比 | 直前の四半期など | 足元の変化 |
| 前期比年率 | 前期比が1年続くと仮定 | 四半期の勢いを年率で表現 |
| 前年比 | 前年の同じ期間 | 季節性をまたいだ比較 |
| 前年度比 | 前年度合計 | 年度計画や政策の比較 |
年率換算は前期比を4倍するだけではない
前期比0.5%なら、年率換算は約2.0%です。小さな変化では4倍に近くなりますが、正確には複利計算です。「年間で実際に2.0%増えた」という実績ではなく、その四半期のペースが4期続く仮定値です。
実質・名目・一人当たりを使い分ける
- 実質成長率: 物価変動を除き、数量面の成長を見る
- 名目成長率: 実際の価格で、売上・所得・税収など金額規模を見る
- 一人当たり成長率: 人口変化をならし、平均的な経済規模の変化を見る
名目が増えて実質が横ばいなら、金額の増加に物価上昇が大きく寄与した可能性があります。一人当たりが増えても、所得分配が均等とは限りません。
寄与度で成長の中身を見る
GDPが1.0%増えても、個人消費が押し上げたのか、在庫や純輸出が一時的に押し上げたのかで事業への意味は違います。各需要項目の寄与度は、GDP成長率を何パーセントポイント押し上げ・押し下げたかを示します。項目自体の伸び率と寄与度を混同しません。
「2四半期連続マイナス」を機械的な公式判定にしない
2四半期連続の実質GDP減少はテクニカル・リセッションと呼ばれることがありますが、日本の景気の山・谷は、内閣府が景気動向指数などを用いて事後的に設定します。GDPだけで公式の景気後退入りを断定しません。
事業計画では幅を持たせる
経済成長率を売上成長率へそのまま置き換えず、基準・上振れ・下振れの3ケースを置きます。自社に近い消費・設備投資・輸出の動き、顧客の予算、受注残を使って感応度を調整し、次回GDP速報後に前提を更新します。
根拠資料:内閣府 国民経済計算 / デジタル庁 GDPダッシュボードの事前知識 / 内閣府 景気基準日付
最終確認日:2026-08-13 SNA基準改定、年率・寄与度の表章変更時に更新します。